上質な買い物ってなんだろう、っていう話
少し前ですがこんな記事を見かけましてね。
サードウェーブ系男子ってまた上手い語呂合わせだなーって思ったんですが、本題はそこではなく上質な暮らし()についてです。
元記事にある通り、丁寧な暮らし()とか上質な暮らし()が微妙に揶揄の対象となってまして、個人的にはなんだかさみしい思いをします。それは上質な暮らしを志向する界隈の方々が、資本主義の現代に生きる人々からすると格好だけで滑稽に映るからかもしれません。
つまりアンチ資本主義的行動が黒縁メガネ・ニューバランス・ブルーボトルコーヒーに集約するなら、それもまた消費文化の中の一カルチャーに過ぎないというシニカルな批評です。
まぁ、そんなカウンターカルチャー論を述べたい訳でなく、じゃあ上質な暮らしって一体何だろうと考えてみたくなった訳です。とはいえ、暮らしと括ってしまうとそれこそ昨今の炎上元として名高い”主語が大きい”話になってしまいます。「レギュラーソリュブルコーヒーでも飲んでろよ」、なんて突っ込まれたらおちおち文章を書く気にもなれません。
さて、僕が思うに上質な買い物には2つあります。
1.購買点数を減らすこと
シャツに例えてみましょう。どう自分を見せるかという観点を除けば、シーズン毎にユニクロで買い換えるのがもっとも費用対効果は高いでしょう。着心地やカッティングを考えればビジネスなら鎌倉シャツ、プライベートならマーガレットハウエルやヤエカに手を出したくもなりますが、シャツが消耗品であることに疑いの余地はありません。
しかし、そこを敢えて買う。なんなら洋服ブラシやスチームアイロンも買う。少しでも長く着られるように手をかける。こうした行為を伴う購買は、僕の中での上質な買い物です。今の時期なら手入れをして長く着ているスプリングコートを見かけると、あぁ良い買い物をされてるなと感じます。
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一言で言えば、使い捨てるのではなく、長く使う意志の元に買うということです。そうしてクローゼットを中心とした空間や、服選びという時間をコンパクトにすることで、余裕と着慣れた感覚を持つ。そうした生活を送れる人に憧れの念を持ちます。
2.自尊心を満たすための支出ではない
もう一つがこれです。
買い物依存症という言葉があるくらい、買い物とは一種のストレス発散行為です。金額の多寡に関わらず、購買と消費はある種の自尊心を満たすことが出来ます。
先に挙げた購買点数を減らすことにも通じるのですが、「買えるけど買わない」という選択をいかにするかが大事です。得てして衝動的に買ったものほど空間の肥やしになります。
思い付きで買う行為を否定するわけではないのですが、そこに衝動や逃避がないか振り返ることが重要です。買うことで満たされる気持ちは往々にして短いものです。
限られた空間がそうしたもので埋まる時、同じように空虚な気持ちが自身を覆います。翻って想いを込めて買ったものほど、背景にあるストーリーで満たされます。
どちらも気持ち一つといえばそれまでですが、ついAmazonをポチってしまう自分に自戒を込めて。
皆さまが思う上質な買い物とはいかがなものでしょうか。