夕暮れ放課後の色彩を表現するバンド「め組」を推したい
過去一番を上げるなら2002年のBUMPのライブ。Jupiterが出た直後。ラフメイカーとかダイヤモンドとかそれだけで胸を打つのに、アンコールで天体観測。
音楽雑誌でよく〜年代の僕らのアンセムなんて言葉があるけど、あの瞬間ほどそう思ったことはないかもしれない。イントロが流れた刹那の笑顔。「ああ、これは僕らの曲だ」って信頼と高揚。
だからそれからもバンドが好きで、インディーズからメジャーに上がるシーンに一発かますぜって瞬間の。
それで、め組っていうバンドの話なんですけどね。フロントマンの菅原達也のことを知ったのは、前身の「さよなら、また今度ね」っていうバンドのこの曲。
やったらやりっぱなしの僕だけどさ
君が夕方なら、僕はカミナリを打てるくらいの
才能を 努力を 情熱を 放ってやる
あ、放課後の歌だってなんだか射抜かれて。大人になったらコーラでもラムコークでも好きに飲めるけど、夏の教室、窓際に置き忘れた赤い350ml缶を思い出すような。
輝くサラダって曲もあって。コードとか歌詞とかぜんぜん落ち着かないんだけど、ああでもそうだよね好きなひとの仕草とか横顔ってなんだか全部きれいに見えるよねって。採りたての。
さよなら、また今度ね「輝くサラダ」【MV/FULL ver.】
知ったのは解散直前だったからライブも行けず、昔に出たアルバムをほそぼそ聞いてはいいバンドだったなって思ってたのが去年の春。「新しいバンドやります!」って本人が宣言したのが夏のこと。
そんなに早く始動するなんて感傷に浸っててばかみたい。なんて思うも束の間、YouTubeに上がった曲はやっぱり放課後の手触りで。好きだなあってループ&ループ。
少しだけ違ったのは楽器隊。明らかに前のバンドより上手くて、拙いギターやリズムが放課後感の鍵だったかもしれないどうだろうって見に行ったこないだのライブ。
— 古越 幸太(執事) (@aatoku) 2017年4月25日
o-nestだからキャパ200人ちょいくらいかな。後ろまで満員。しっかりバンド感あって、Voの菅原達也の煽りよろしく、盛り上がりはメインを超えてたかも。
何よりバンドが菅原の表現したい世界をきっちり支えてる様子が垣間見えて、うん、いいなって。これならもっと多くの人に届きそう。キーボードの音色も効いて。終演後の自主企画ツアーの手売りもよく捌けてたから、次もしっかり埋まりそう。
「僕、好きな人がいて。告白したいなって。それででも考えて考えてもうまい告白の言葉が浮かんでこなくって。あーって。でも男ってそんなもんで。そんなもんですよね? そういうぐちゃぐちゃしたさ女々しさみたいな格好わるさとかそういうの、曲にしたんです。聞いてください*1」
MCもなんだか曲そのまんまで嘘がなくて。ああこの人は音楽じゃないと表現できないんだろうなって。デビュー2曲目にこんなフレーズがある。
夢の中で夢見れる
海の底で貝になる
あなたとなら人生だめにしたい
あなたとなら人生だめにしたい。そういう生き方ってスマートじゃないけど、秤の傾き気にしないでベットできるなら幸せだよね。ほら、すぐそうやって「ヘラってる〜」とか揶揄しない。
いちばん好きな3曲目、悪魔の証明。MVの最後ビルの屋上に駆け出て(やっぱり夕方!)サビを歌うその手前。
僕ら丁寧に丁寧に たまに叫んで泣いて
好きな歌を唄うときくらい
悪魔の気分でいたい
好きな歌を唄おう。好きな歌を聞こう。
僕ら、たまに叫んで泣いて。
*1:うろ覚えだけど